サイクリングイベント「Ride on 310夏休み特別企画~親子でサイクリング『水戸ロケ地巡りライド』」が8月27日、開催された。主催は水戸商工会議所。
旧三の丸庁舎
この日は中学生〜社会人まで15名が参加。小学生も多く参加すると予想した筆者の予想に反し、子どもの参加は中学生1名。集合場所の旧三の丸庁舎にも子どもの姿は見えず、夏休み最終週には公園から子どもが消える(宿題の追い込み)というウワサは都市伝説ではなかったのだと納得した。
主催者あいさつを終えると、2チームに分かれてスタート!水戸の中心市街地を抜け、そのままペダルを回すこと約20分。舗装された道路の両サイドに田園風景が広がる。
菓匠にいつま hanare
1カ所目のロケ地の前に早速ミニエイドだ。水戸の和菓子店「菓匠にいつまhanare」で6種類のフレーバーから各々好みの「あいす最中」を選択。
じんわりと汗をかき始めたところで、ひんやりとしたアイスが沁みる。笠間の栗を使った栗羊羹や塩羊羹、どら焼きなど、興味をそそる商品が並んでいたものの、ひっきりなしに訪れる来店客と移動の時間の関係でお土産は断念。日を改めて伺いたい。
ロケ地1:水戸市立西部図書館
ひと息つき、再びサドルにまたがり、約800m先のロケ地「水戸市立西部図書館」へ。同館は、映画「図書館戦争」やSKE48のミュージックビデオ「シャララなカレンダー」など、数多くの作品のロケ地となっているだけでなく、中世ヨーロッパ風の建築空間のような円形ドームの造形美から「美しすぎる図書館」としても知られている。休憩と館内の見学の時間が設けられ、参加者は思い思いに施設を見学。
ロケ地2:旧芦山浄水場
続いて、「カメラを止めるな」や「仮面ライダーシリーズ」で多く使われているというロケ地「旧芦山浄水場(あしやまじょうすいじょう)」に到着。
通常、撮影のみの使用で見学ができない施設だが、この日は特別に水戸市役所職員による特別案内が行われ、施設内の見学ができた。
市役所職員の説明によると、この芦山浄水場は、昭和7年に水戸市で初めて設立され、平成5年まで稼動していたという。広大な敷地内には当時の建築物がそのまま残され、施設内に足を踏み入れると普段目にすることのない計器類がずらりと並ぶ。
施設の外には、水量を調整していたであろう機器や水を溜めていたであろう貯水スペースなどもあり、興味はつきない。撮影時の裏話や洪水時の話なども聞いているとあっと今に時間が過ぎる。
ともすれば鬱蒼とした空間となりがちな広大な敷地も、見たことのない機器や草木に隠れたバルブに冒険心をくすぐられ、好奇心の赴くままにあたりを見渡しているうちに見学時間は終了。
水戸市役所職員の皆さんに別れを告げ、この日の最終ロケ地「七ツ洞公園」へ。到着目前にあった短い登りで皆ペダルを回す。「キツイ」と言いながらも笑顔だ。
ロケ地3:七ツ洞公園
「テルマエ・ロマエ」で数多くのシーンがされた七ツ洞公園。周辺の豊富な水と池を利用してつくられたイギリス式の自然風景式庭園だ。全体計画面積14.7haのうち、約8.0haが完成しているが、残りはまだ完成していないらしい。広大なスペースを活かし、さまざまなイベントも定期的に開催されている。
ここで昼食として、茨城県産のコメや食材にこだわる「おにぎり山翠」のおにぎりバスケットをいただく。この頃には天気も曇りから晴れに変わり、気温もだいぶ上がっていたので、おにぎりや漬物の塩分がありがたい。
園内には大小5つの池のほか、イギリスから輸入したというパビリオンなどが設置されているというが、今回は滞在時間の関係で見学までの時間は取れず。近くを立ち寄った際にはぜひ園内の見学をしてみてほしい。
田んぼと川のそばを走り抜け、再び旧三の丸庁舎へ
だいぶ色づき始めた田んぼの脇を走り抜け、那珂川沿いを走行。頬を撫でる風やそよそよと揺れる草木の音が耳を楽しませる。ペースも20km/h巡航のため息切れもなく、参加者はみんな笑顔だ。
走行時間は約2時間。ミニベロやクロスバイクでも参加した今回のサイクリングイベント。参加者同士の交流はもちろん、ただロケ地に行くだけでない施設紹介や地元出身者の解説により、より水戸についても知ることができたのではないだろうか。
走行距離:32.75km
獲得標高:155m
難易度:★☆☆☆☆(初心者向け)